病気から学んだこと

「どう生きていきたいか」が見えてくる『お金』の話

お金の役割

僕たちがお金を払って何かを買うとき、商品のほかに手に入れているものがあります。
それは『時間』です。

例えばりんごを食べたいと思ったとき、ほとんどの人はスーパーマーケットに行って100円を払いますよね。

でも選択肢としては、畑を耕し苗木から自分でりんごを育てることだってできるし、自分が持っているみかんと交換してくれる人を探すことだってできるはずです。ただ、必要なものをすべて自分の手で作ったり交換して手に入れていては時間も手間もかかるので、多くの場合はお金と引き換えにして何かを手に入れています。

普段そんなことを意識することは少ないですが、僕たちはお金を利用することで、時間と手間を省略することができます。『省略できた時間』は、見方を変えると、『新たに生み出した時間』と言うこともできますよね。

新たに生み出した時間は、さらにお金を得るための労働に充てても良いし、何もせず休息したり、家族と話す時間に充てても良い時間です。つまり、自分で使い道を決められる自由な時間です。

お金が持つ大きな役割の一つは、自由な時間を与えてくれること」です。

お金の価値

お金を多く持てば持つほど良いのかというと、そうとも限りません。なぜなら、お金の価値は「使われる」ことにあるからです。通帳のケタがいくら増えても、タンスに眠るお札の数がいくら増えても、使わないままではほとんど価値はありません

子どものころ、お年玉やお小遣いを両親からもらうとき、「無駄づかいしたらダメよ。貯金は大切よ」とよく釘を刺されました。
みなさんも似たような経験はありませんか?

この「貯金は大切」という言葉を鵜呑みにしたまま大人になると、お金に対して間違った認識を持つことになってしまいます

誤解のないように先に言い加えておくと、「貯金が大切」「無駄づかいが良くない」ということを否定したいではありません。「使わずに貯めておくことがお金の価値だ」と考えるようになってしまうと良くないということです。

お金には、本来さまざまな使い方があります。
日常生活でのお金の使い道をいくつか思い浮かべてみてください。きっと以下の6通りに分けられると思います。

  1. 消費(例:スーパーで晩ごはんの材料を買う)
  2. 浪費(例:読まない新聞を頼み続ける)
  3. 投資(例:将来就きたい職に必要な資格を取るため、テキストを揃える)
  4. 投機(例:宝くじを買う)
  5. 貯蓄(例:銀行に預ける。タンスに入れておく)
  6. 融資(例:お金を貸す)

貯蓄以外に、これだけの選択肢があります。それなのに、「貯蓄が良い」と無条件に考えることは、はたして正しいでしょうか?

もちろん、「精神衛生上、リスクのあるものには何が何でも手を出したくない」「もう将来の備えができていてお金を増やす必要がない」など、根拠を持った上で貯蓄を選ぶのであれば間違っていません。ですが、ただ「貯金は大切」という言葉に従っているだけならば、正しい考え方ではありません。

まちがいなく貯蓄は大切なことですが、それを唯一絶対的な使い道にしてしまっては、お金の価値が分からなくなります

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