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お見舞いの品を選ぶには「胃がん患者が実際に嬉しかったもの/困ったもの」を知るのが一番確実
骨折や怪我での入院であれば、お菓子などが良さそうですが、食べるものがNGとなると……うーん、何を持って行ったらいいか困ってしまいますよね。
実は僕自身が25歳のときに胃ガンを患い、摘出手術のために入院をした経験があります。その際、友人や職場の上司がお見舞いの品を持ってきてくれたのですが、治療に向けて元気をもらえる品もあれば、お菓子をもらって苦笑いをしたりもしました(笑)
そんな実体験をもとに、患者目線から「良いお見舞いの品」「もらって困る品」を紹介していきたいと思います。患者さんが喜ぶものを選ぶなら、実際に入院をした人の意見を参考にするのがいちばん確実です。「ズレたもの」を渡してしまうと、せっかく元気づけようと選んだはずが相手に嫌な思いをさせてしまうかも!?
ぜひ、お見舞い品を選ぶ前にチェックしてくださいね!
退屈しのぎになるもの
入院中は、なんといっても退屈がストレスでした。
決められた空間の中しか歩けず、看護師さんが1日に2、3回検診に来るか、検査室に向かうほかにやることがないというのは、想像していた以上に疲れました。
退屈しのぎと渡すにはして、下のようなものがおすすめです。
- 本・マンガ・雑誌
⇒退院時に荷物にならないよう、文庫本や病院に捨てて帰れる雑誌が良いでしょう。
本の注文にはオンライン書店e-honが便利!欲しい書籍をネットで注文しておいて、病院近くの本屋で受け取ることができるので、例えば、仕事帰りにお見舞いに立ち寄る場合などに荷物にならず助かります。 - DVDポータブルプレーヤー
- 携帯ゲーム機
- 病室のテレビに使えるプリペイドカード
⇒多くの病院では、入院病棟の受付やナースステーションの近くで売っています。 - パズル
⇒道具なしで組み立てられるものや、数独のようなパズル本。
《避けた方がいいもの》
- 退院時にかさばるもの。
⇒ハードカバーの本など大きなものは、退院時に荷物にならないか注意が必要です。「大きいけど、大丈夫?」と、事前に一言確認しておくと良いですね。何度かお見舞いする予定で後日回収に行けるなら、もちろんOKです。 - 音の出るもの
⇒ポータブルプレイヤーなど持っていく場合は、イヤホンも一緒に渡してあげるといいかもしれません。病院の売店には最低限の機能のものしか売っていなく、僕自身、同室の患者さんへの音漏れが気になって使いづらかったことを覚えています。
役に立つ実用品
「退屈しのぎになるものも良いけど、どんな本やDVDを選んだら喜ぶか、好みか分からない・・・」
そんな場合には、好みなど関係なく便利に使える実用品を渡すのも一つです。
手術後は、次のようなものがとても重宝しました。それぞれ参考になりそうな商品をリンクしておくので、確認してみて下さい。
- 水なしで使えるドライシャンプー
⇒傷口がふさがるまではシャワーも浴びられません。頭に付けた後タオルで拭きとるだけのドライシャンプーがとても重宝します。- フレッシィ ドライシャンプー スプレータイプ 150ml
↑オススメはこれ!値段が安く、香りもないので使いやすかったです! - DHC水のいらない リフレッシュシャンプー
- フレッシィ ドライシャンプー スプレータイプ 150ml
- 身体拭きシート
⇒いくらあっても困りません。お風呂に入るまでは全身に使うので、厚手で面積のあるのものが使いやすかったです。- 清拭タオル アクティからだふきウェットタオル 【30枚入】
↑オススメはコレ!厚ければ厚いほど使いやすいと言っても過言ではありません!笑 - ボディウエットスティックタオル 特大サイズ(30cm×60cm)
- 清拭タオル アクティからだふきウェットタオル 【30枚入】
- 消臭スプレー
⇒シャワーが浴びられないため、特に女性の方などはベッド周りの匂いが気になるかもしれません。僕の場合、職場の上司などが見舞いに来たときなどに、消臭スプレーが重宝しました。
ただ「臭いが気になる」といった意図に誤解されないように注意です。上のシャンプーなどと一緒に渡し、「手術後はしばらくお風呂入れないって聞いたから、使えそうなもの適当に買ってきたよ」などと言い添えると良いかもしれないですね。- A2Care エーツーケア 除菌 消臭スプレー スプレータイプ 300ml
↑オススメはコレ!値段は少ししますが、体が触れるベッドや食卓にも多く降りかかることを考えると、体への影響を考えて選ぶのが良いと思います。消臭剤の成分によっては発がん性物質を生むものもあります。 - 除菌消臭剤チャーミスト 80ml
- SEGRICO(セグリコ) 除菌 消臭 スプレー 300ml 超高純度 次亜塩素酸 ナトリウム 単一製剤
- 無香空間空気と布の消臭ミスト 消臭剤 本体 無香料 400ml
- A2Care エーツーケア 除菌 消臭スプレー スプレータイプ 300ml
《避けた方がいいもの》
- 香りが強いもの
⇒身体拭きシートや消臭剤を選ぶ際、香りの付いたものには気をつけてください。ドラッグストアではほとんど気にならない香りも、病室の中だと鼻について気分が悪くなることもあります。 - 退院時、持って帰りづらいもの
⇒化粧水や保湿クリームなども便利ですが、荷物に詰めたときに液体が漏れだしたりしてほかの荷物を汚す心配のない容器のものを選ぶと親切です。
しっかりと密閉できてつぶれにくいのものを選ぶのが良いでしょう。
励ましたり元気を与えるもの
退屈しのぎに役立つものや便利な実用品も良いですが、 お見舞いに行く意味を考えると、 患者さんを励ますもの、元気づけられるものももちろんおすすめです。
元気づけるお見舞い品なら、次のようなものがおすすめです。
- 花
⇒お見舞い品の定番であるだけあって、病室の中に華やかな花が置かれているだけで、元気をもらえます。
ただし、次のような病人にあげると縁起の悪い花、病室に置きづらい花を渡してしまわないように注意しましょう。
《縁起の悪い花》- 鉢に植えた花・・・根付く=寝付くと読めるため
- 白い花・・・葬式に使われることが多いため
- 椿・・・枯れるときに花が首から落ちるため
- シクラメン・・・『死』『苦』の字が入るため
- 菊・・・葬式に使われるため
- 赤いバラ・・・色が血液を連想させるため
《病室に置きづらい花》
- 花瓶が必要な花・・・花瓶の処理に困る、割れると危ない、水に細菌が繁殖して不衛生など
- ユリ・・・匂いが強いため
ただ、病院によっては感染防止のため花を置くこと自体を禁止している場合もありますし、生花を選ぶのは少しハードルが高いという方もいるかもしれません。そんな方には、下のようなプリザーブドフラワーがおすすめです。
患者さんに水を替えさせずに済むし、ケースに入れられるので匂いも強くありません。退院時に持って帰りやすいことも便利です。(ただ、ちょっとお値段がします!)
もっと多くの商品の中から探したい場合には、プリザーブドフラワーの通販サイト「お花ソムリエ」から探してみてください。専門店なのでお花の種類が多く品質が良いことはもちろん、無料でメッセージカードを付けることができるサービスなどもあり、より喜ばれるお見舞い品を贈ることができますよ!
- 写真
⇒わざわざ何か買っていくことにこだわらなくても、思い出の写真や楽しい写真だって、とても嬉しいお見舞い品になります。
ただし、「旅行先でおいしいものいっぱい食べたよねー!」といった話題に移ると気まずいので、食事の写真には注意が必要かもしれませんね。 - 手紙やメッセージカード
⇒寄せ書きなど、メッセージの書かれたお見舞い品をもらえるとやっぱり元気が出ます。
ただ、「職場のみんなに書いてもらっただなんて、大ごとにしないでほしかったな」と感じる方もいるので、患者さんの考え方や性格に合わせた注意が必要です。 - 資格やキャリアアップに関する専門書
⇒目指しているものや取得したい資格などあれば、参考書や問題集をもらっても嬉しいです。
ずっと病室にいると、「周りは頑張っていってるのになぁ」と、入院期間を『停滞』と考えてしまいがちです。「退院までに問題集を1冊終わらせよう」「この機会にパソコンスキルを磨こう」などと目標を持つことで、治療に対しても前向きな気持ちが生まれやすくなります。
《避けた方がいいもの》
- 食べものに関連するもの
⇒僕が入院したとき、「早く元気になって、一緒に旨いものでも食べに行こう!」と食事券をくれた知人がいました。
僕の場合は、「よし!早く治して、食事券の金額以上に食べておごらせてやろう!」と挑戦的な気持ちになりましたが(笑)、よっぽど親しい関係でない限りは、基本的に食事を連想させるものはすべて避けておいた方が良いでしょう。
まとめ。お見舞いの品を持って行く上で何が一番大切か。
いかがでしたか?何かピンとくるお見舞いの品は見つかったでしょうか?
ふだん贈り物を考えるだけでも悩むのに、胃ガンの患者さん相手となると余計に難しいですよね。患者さんも、精神的に弱っていたりいつもと違う生活にストレスが溜まっていたりして、ふだんなら気にならないことに腹が立ってしまったり、傷つきやすくなっているので、いい加減なものを渡すことは避けるべきでしょう。
しかし!記事の最後にこう言ってしまっては元も子もないですが、 病院で心細く退屈な思いをしている患者さんにとっては、やっぱりお見舞いに来てくれる気持ちがなにより嬉しいものです。
『面会時間を約束どおり守る』『縁起にまつわるタブーは避ける』などお見舞いの最低限のマナーさえ守っていれば、「退屈な退院生活を楽しませようとして、これを選んでくれたんだな」と、お見舞いに来てくれた気づかいは、患者さんに十分伝わっていますので安心してください。
「無難にお茶菓子で…」とは済ませられない胃がん患者さんだからこそ、 悩みながら選んでくれた面会者の思いやりに深く感謝できるのかもしれません。
現在30歳で1児のパパ。25歳のとき胃にステージⅠBの癌が見つかり、胃のほとんどと仕事を失う。
自分自身が患者として苦しかったことや、それをどうやって乗り越えてきたかなど、胃がん患者やその周囲の人に向けて「今より生きやすくなるためのヒント」を伝えられたらと、ブログを運営しています。